「そば処 大西」の蕎麦について

 

「そば処 大西」で、お客さまに召し上がっていただくそばが、どのような土地で、どんなふうに育ち、おいしいそばになっていくのかを、お話しいたします。
そばのおいしさは、素材由来です。あとから味をつけることができません。
畑で、どれだけおいしいそばを育てることができるか。その味を落とすことなく、最終的に「そば」にできるのか。そのすべてのプロセスを管理するのが、おいしいそばを作るという仕事なのです。

 

まず、材料のそばの実をご覧ください。
「そば処 大西」で使っているそばの実と、一円玉を並べてみました。いかに小さいかが、おわかりいただけると思います。この小さな粒の中に、ちょっぴり詰まっている粉を取り出して集めたものが、そば粉です。
もりそば一枚分のそばを栽培するのに、畳、何枚分もの畑の広さが必要になります。
一円玉とソバの実
一円玉と比べると、実の小ささが良くわかります。小粒なそばには、おいしさがギッシリ詰まっています。

 

そばは栽培がとても難しい作物です。その年の天候しだいで、最悪の場合、まったく収穫できないこともあります。
ですから日本各地に畑を契約して、ひとつの産地が不作でも、別の産地でカバーできるようにと気を配っています。
そば畑を管理する生産者の方も、毎日、天候を気にしながら、まるで我が子を慈しむように大切に育ててくださるのです。

そば畑
畑を管理する生産者によって、そばの風味は、まったく違ったものになります。熱心な生産者と信頼関係を築いて、栽培をお願いしています。
ソバの花のアップ
たくさんの花が咲いても実になる数は意外に少ないのです。花の時期に雨が降り続くと、受粉を媒介する昆虫が飛んでこないため実にならないのです。

 

そばの花は、受粉すると実になります。一本の枝に、こんなにたくさんの実がつくのは、ほんとうに、すばらしいことなのです。
そばの品種が、その土地にあっていて、土に力があって、生育期間の天候の状態が良好で、たくさんの昆虫が、せっせと働いてくれたから、こんな姿が見られるのです。
もちろん生産者の方が、がんばってくださったからこその豊作です。豊かな自然の恵みに、感謝の気持ちで胸がいっぱいになります。
ソパの実のアップ
細い枝の先に、ようやく実がつきました。花が咲き続けているのに、緑の実が実り、黒い実も共存します。そばは大変強い生命力を持っています。

 

刈り入れを待つばかりのそば畑です。山の斜面に、段々に連なるそば畑は、「おいしいそばができるよ」というサインのようなものです。
そばは、地形で味が決まるといえるほど、畑の条件が味に大きな影響を及ぼします。この畑なら、ぜったいに、おいしいと、見ただけでわかる「おいしそうな畑」です。
福井のそば畑
秋の日差しを十分にあびて、そばの実は、香りと甘さを増していきます。このような山あいの水はけの良い畑に、最良のそばが育ちます。

 

これが在来種のそばの実です。小さな体に、でんぷん、タンバク質が、ぎっしり詰まっています。だから、殻が、はちきれそうに張っています。
この実の様子が産地によって、まったく違うのです。おいしいそばは実を見ただけで、ある程度、予想がつきます。ときには読みが外れることもありますが、でも、おいしいそばは、いい顔をしているものなのです。
福井在来のアップ
「そば処 大西」で好んで使うのは、在来種のそばです。在来種のそばは、昔ながらの、そば本来の美味しさを備えているのです。
 

 

以上のような道筋をたどって、たどりついたゴールが、「そば処 大西」の、一枚のそばです。
どうぞ、そばの旅を思いながら、自然の恵みを、ご堪能ください。

そば処 大西